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5ページ目 リボン「はあはあ、なんとか逃げきれたけど」 マフラー「ここは一体…?」 まいど「なにやら石がたくさんあるなぁ」 パンダ「人もいないしここなら安全そうだね」 トラハムちゃん「…………」 リボン「トラハムちゃん…」 ゴミ「うきゅー…」 トラハムちゃん「お兄ちゃん…うう…」 タイショー「くそっ…これ以上犠牲はだせねえ…」 カンカンカン! まもなく1番ホームに… タイショー「な、なんだ?!」 リボン「ま、まさか…!」 メガネ「大変だ! ここは線路です!」 マフラー「ええ?!」 ゴミ「うきゅ?!」 まいど「ちゅーことは…もうすぐ…」 タイショー「電車がくるぞ! 走れーっ!」 次へ トップへ
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無題 派遣切りに遭いやることもなくふらふらしていた白金蒼十郎 「そうだ、希望崎行こう」 この選択が彼をさらなる絶望にたたき落とすこととなる 「はぁー、とりあえず希望崎に来てみたものの何もすることないな」 「あ、あのっ…!センパイ!」 「…ん?俺のこと?(誰だこの娘?)」 「あっ…あのっ…!あなたが校門をくぐった時から気になってました! これ…受け取って下さいっ!///」 と言うが早いか、その女子生徒は突如後ろ手に持ったナイフを蒼十郎に投げつけた。 「のわー!!!何するんだ君はー!!!!!」 「…!センパイ…!あたしの『愛(めで)』を受け取ってくれないの…? ハッ…!そうか…まだあたしの『愛』が足りないと言うことなのねっ! わかりましたセンパイ!あたし、もっとセンパイを愛せるよう頑張る!」 と言ってもう片方の手に持った包丁を取り出す少女。 (こ…、こいつはヤバい…!) 「あーん、待ってー!センパーイ!あたし分かってますから!もっともっとあなたを『愛』しますからー! ほら恥ずかしがらないで、あたしがもっともっともっともっともっともっともっと もっともっともっと愛して愛して愛して愛して愛しt…ぐふっ」 「な…に…(助かった…のか…?」 逃げ惑う蒼十郎が見たのは突如倒れる少女と、その後ろで警棒を振り回す少女。 「危なかったね☆お兄ちゃん!」 「え…?(お、お兄ちゃん?)」 「もう、お兄ちゃんたらもう少しでこの魔女に殺されるところだったんだよ? お兄ちゃんを愛していいのは前世から結ばれてる妹のあたしだけなんだから!」 「いや、俺には妹はいないんだが…」 「どうしたのお兄ちゃん?ハッ、もしかしてこの魔女に記憶を消されちゃったの!? 何てことを…!待っててねお兄ちゃん、こいつすぐ殺すから! そうしたらお兄ちゃん誰にも邪魔されずにずっと一緒にいられるね☆」 (駄目だこいつ…早く何とかしないと) 「この浮気者おおおおおおおお!」 「ぎゃああああああ!」 「うおおおおおお!?(今度は何だー!?)」 そこには燃え盛る炎とともに現れた、酸素ボンベを背負った少女の姿があった。 「何で…何であなたはすぐに浮気しちゃうの…? あなたには私だけを見つめていて欲しいのに…ッ!」 「え…あ…何のことでしょう…?」 「人間の男如きが口を挟むなッ!!!!!わたしと酸素様の崇高なる時間に!!!!!!」 「うわわわわー!駄目だ、逃げよう!」 ドンッ 「うわわ、ごめんなさいごめんなさい!」 「リア充しね!」 「そんなヒドイ…」 こうして白金蒼十郎は戦いにまきこまれるのであった。ちゃんちゃん。
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441 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 34 49.41 ID IgxcIWs6 昔からお兄ちゃんは私だけを守ってくれた。 別に私が周りに疎まれていた訳では無い。 母や父も私には甘かったし、親戚も優しかった気がする。 勿論零菜もチヤホヤされて育った側の人間…だけどお兄ちゃんは違った。 小さい時から完璧な零菜とは違い、お兄ちゃんあまり目立たない子供だった。 それでも普通の人よりは勉強もできるし運動神経も良い方だろう。 だけど何事も完璧にこなす零菜が双子の妹というだけでお兄ちゃんは不出来な兄と決めつけられてきたのだ。 ――同じ血…同じ顔…同じ日に産まれてきたのにどうしてお前は違うんだ―― 毎日お兄ちゃんに重石の如く痛め続けてきた呪文。 ずっとお兄ちゃんは辛いのを我慢して…それでも笑って表情を誤魔化して…。 お兄ちゃんが一人になった時にみせる“孤独”が私の胸を締め付けた。 なんでお兄ちゃんが?いつも優しい私のお兄ちゃんがなんでそんなに悲しそうな顔するの? お兄ちゃんの悲しみが私の幼心に広がっていくのが分かった。 幼い頃は何故お兄ちゃんが貶されるかなんて理解する事はできなかったが、成長するにつれて“汚れた世界”を見渡せるようになった。 そしてお兄ちゃんの苦しみを理解したのだ。 442 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 35 10.23 ID IgxcIWs6 お兄ちゃんの苦しみを理解した後、私の悲しみが憎悪に変わるまでそう時間はかからなかった。 すべて零菜が居るから…零菜が居るからお兄ちゃんが傷ついているのだと。 だからお兄ちゃんが家を出ていった時、寂しさもあったがこれでやっとお兄ちゃんが救われると心の底で小さく喜んだ。 高校卒業後、すぐにお兄ちゃんを追いかければ良いだけ…理由をつけてお兄ちゃんが住む家に上がり込めば同棲だって出来る。 妹が実家を出て一人暮らしの兄を頼る…その図を作ればお兄ちゃんは絶対に私を迎え入れてくれる。 ――お兄ちゃんは絶対に私を“守る”のだ。 それが妹である私の特権であり、逆に私がお兄ちゃんを守る力にもなる。 お兄ちゃんの妹は私だけ――お兄ちゃんの理解者は私だけ――お兄ちゃんの家族はワタシだけ。 そう…ワタシだけなはずなのに…。 443 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 35 38.00 ID IgxcIWs6 「美味い!こんな美味しいハンバーグは近年稀だ!」 私が作ったハンバーグを満面の笑みを浮かべ口に押し込んでいる女の子。 初めて見た時は女の子か男の子か区別がつかなかったけど、お兄ちゃんがこの子を空ちゃんと言っていたので女の子だと分かった。 別に悪い意味で区別がつかない訳では無い。 ボーイッシュな雰囲気が全面的に押し出されているので、美形な男子と言われても納得してしまうと言うことだ。 多分男の子からも女の子からもモテるだろう。 「そっか。由奈が作る料理はなんでも美味いからな」 空ちゃんの隣に座るお兄ちゃんが自分が作ったかのように喜んだ。 「ありがと。そう言ってくれると毎日作ってる甲斐があるわね」 「おう!ぼくが美味いって言うぐらいだから喜んでいい!」 ハンバーグのソースがついた箸を私に向けて高らかに声をあげる空ちゃん。 それを瞬時に張り付けた笑顔で流し、お兄ちゃんに目を向けた。 私の視線に気がついたお兄ちゃんは私の目から避けるように目を反らした。 「はぁ……(この子なんなのよ…)」 ため息を吐き捨て、隣に居る空ちゃんへと目を流す。 444 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 36 21.91 ID IgxcIWs6 今日は日曜日…いつもならお兄ちゃんと二人で映画見てイチャイチャしたり、手を繋いでデートしたりお兄ちゃんのパンツに鼻擦り付けながら自分を慰めたり(これは毎日だけど…)私の癒し日になるはずだったのだが…。 今日の昼12時――突然我が家に見知らぬ女の子が訪ねてきたのだ。 それがこの子…降崎 空ちゃん13才。 見た目はまだ小学生じゃないかと間違えるぐらい幼さが残っているのだが立派な中学生だそうだ。 突然やってきた小さな訪問者に意味が分からず、玄関前に立つ女の子に何か用事?と問い掛けると「ここ兄ちゃんの家?」とだけ聞き返してきたのだ。 兄の知り合いにしては歳が離れすぎているので少し不安になりながらもお兄ちゃんに知り合いか聞いてみると、慌てたように空ちゃんと外に出て行こうとしたのだ。 流石に見過ごせず難色を示す兄と空ちゃんを無理矢理リビングに入れて今に至るのだが…。 「ねぇ、お兄ちゃん…そろそろ空ちゃんとどういう関係か教えてくれない?」 空ちゃんとお兄ちゃんが食事を終えるのを待ち、お兄ちゃんに問い掛けた。 お兄ちゃんに限って小さな女の子に手を出すような事は無いと思うのだけど…。 445 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 37 54.30 ID IgxcIWs6 「ぼくと兄ちゃんの関係?そりゃ…一言では表せない関係ってヤツかな」 空ちゃんの言葉に私の手が震えた。 「誤解を招く言い方するなよ!由奈、俺と空ちゃんは変な関係なんかじゃないからな!?」 焦ったように否定する姿がどれだけ嘘臭いかお兄ちゃんは分からないのだろうか? まぁ、お兄ちゃんがそう言うのだから本当なのだろう。 しかもこの空ちゃんって子…やたらお兄ちゃんにベタベタ触って…。 「お、おい…怒るなって。後でちゃんと事情を話すからさ…」 怒る?顔に出ていたのだろうか? 笑顔を保っていたつもりなのだけど…。 「まぁ、いいわ…お兄ちゃんご飯食べたなら早く服着替えてきたら?洋服はいつも通り机の上に置いてるから」 「分かった、着替えてくるよ」 「あっ、兄ちゃん食器ちゃんと流し台に置かなきゃダメだろ!」 椅子から立ち上がりリビングから出ていこうとするお兄ちゃんに空ちゃんが食器を指差し指摘する。 良くできた子だ…多分母親の教育が行き届いているのだろう。 だが、ここは私とお兄ちゃんの家。 他人のルールなんて無用なのだ。 「そ、そうだな…悪い悪い」 居心地悪そうに頭を掻くと、食器に手を掛け持っていこうとした。 446 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 38 24.82 ID IgxcIWs6 「待って…大丈夫よ私の仕事だからお兄ちゃんは早く服を着替えてきて」 お兄ちゃんの手を掴みそれを阻止する。 お兄ちゃんの世話は私がする。 二人暮らしを始めてからの決まり事なのだ。 絶対に誰にもさせない…。 「で、でも…」 「いいから、いいから」 お兄ちゃんの背中を押してリビングから退場させた。 お兄ちゃんをリビングから追い出した後、すぐにテーブルへと腰掛けた。 お兄ちゃんが服を着替え終わるのが5分ほど…早くしなければ。 「な、なぁ…由奈姉ちゃん何してんの?」 目の前に座る空ちゃんが恐る恐ると言った感じで話しかけてきた。 「何してるって…何が?」 今は空ちゃんの相手をしている暇は無いのに…。 「いや…なんで由奈姉ちゃんの食器から兄ちゃんの食器にオカズ移してるの?」 不思議そうに首を傾げ此方を見ている。 「なんでって?こうしたほうが美味しいからに決まってるじゃない」 早くしないとお兄ちゃんが降りてきてしまう…。 オカズをすべてお兄ちゃんが使った食器に移し変えると、早速お兄ちゃんの箸を掴みオカズを口に運んだ。 「んふふ…美味しい…」 やっぱりお兄ちゃんが使った後の食器で食べるご飯は格別だ。 447 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 38 50.24 ID IgxcIWs6 日曜日、週一回の私の楽しみの一つ。 お兄ちゃんが居る前ですると怒られるので隙をついてしかできないが、お兄ちゃんと共有しているというだけで私の空腹は満たされていく。 いつもならこの後お兄ちゃんの箸と歯ブラシと昨日お兄ちゃんが履いていたパンツを使ってオナニーするのだけど、邪魔な事に思春期真っ只中の女の子が目の前に居るのだ…。 「……な、なんで兄ちゃんのヤツ使うんだ?」 「なんでってお兄ちゃんを愛してるからだけど?あっ、まだ空ちゃんには早いかもね」 先ほどから何をオロオロしているのだろうか? 他人の家にきて落ち着かない?なら早く帰ればいいのに…そうすればお兄ちゃんと二人っきりでイチャイチャ絡み合って…それからそれから…。 「変態だぁーーー!!!」 突然空ちゃんが大声をあげて椅子から飛び降りた。 変態?私が?人の家に勝手に上がり込んで何様? これだから子供は嫌い…常識を知らないから。 「はぁ…もういいや。分かったから早く帰りなさいよ。お兄ちゃんとどういう関係か知らないけど…お兄ちゃんに近づいたら女の子でも張り倒すわよ?」 何処の子か知らないけど、そろそろ私も我慢の限界だ。 448 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 39 37.05 ID IgxcIWs6 私はお兄ちゃんとの時間を潰されるのが一番嫌いなのだ。 最近、お兄ちゃんにまとわりつくチンパンジーに苛立ちを覚えているというのに零菜も出てきて…。 「変態の癖に高圧的!変態は影で生きる生物なんだぞ!?おまえはただの変態じゃないのか!」 「はぁ?空ちゃんいい加減にしないと、素っ裸で外に放り出すわよ?」 箸をテーブルの上に置き椅子から立ち上がる。 真っ裸にはしないが、もう出ていったもらおう…休みまでわざわざ他人の相手なんかしてられない。 「うわぁぁぁあッ!!兄ちゃん助けてぇ!!高圧的な変態に襲われッわわわれッ、れ」 「あ、待ちなさい!お兄ちゃんに告げ口するつもり!?許さない!お兄ちゃんが怒ったら構ってくれなくなるでしょ!!」 ガクガク震える足を引きずりリビングから出ていこうとする空ちゃんの前に立ちはだかる。 「ひぃぃぃぃぃいッ!?ぼ、ぼくはッ兄ちゃんの妹なんだぞ!?兄ちゃんに言えば怒ってくッれむっ!?」 叫ぶ空ちゃんの口を押さえ込み、フローリングに押し付けた。 今なんて言ったのこの子? お兄ちゃんの妹? 笑えない…全然笑えない。 449 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 40 17.89 ID IgxcIWs6 「あのね?逆撫でする冗談は辞めたほうがいいよ?特に私は子供でも容赦しないから…分かった?分かったなら頭を縦に振りなさい」 私の声に反応し、空ちゃんが頭をコクコクと動かし二度頷いた。 「分かってくれたならいいの…私、物分かりがいい子は好きだから」 空ちゃんの口から手を放し、立ち上がる。 早くご飯を食べないといけないのに…こんな事をしているとお兄ちゃんがリビングに戻って……。 「由奈…おまえ何してんだ?」 真後ろから聞こえてくるお兄ちゃんの声…。 後ろを振り向かなくても分かる――これは間違いなく怒ってる時の声だ…。 ※※※※※※※※ 「そうなんですよ!だから私が何とかしたいんです!!」 勢いよくベッドから立ち上がり大声をあげる。 夜中なら近所迷惑になるかもしれないが、今はまだ16時。 16時でも独り言で大声を張り上げていたら近所関係無しに迷惑…どころか病院に連れていかれるかもしれないが今は電話中。 しかも相手はあのトップモデルの篠崎 零菜さん。 本当に偶然と奇跡が重なって出会えたと私は思っている。 しかも電話番号の交換までしてくれた。 450 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 40 42.95 ID IgxcIWs6 しかし、電話番号を交換したとしても零菜さんはモデル…私から電話することができず番号を毎日見ていると、突然今日零菜さんから電話が掛かってきたのだ。 見間違いじゃないかと何度も見返したが間違いなく零菜さんの番号が表示されていた。 電話の内容は何気ない日常会話。 今は休憩時間らしく、暇ができたので電話をしてきてくれたとのこと。 忙しい中わざわざ零菜さんから電話をしてくれたのだが、突然のことで話す材料を用意しておらず、情けない事に零菜さんからの話しにただ笑いながら聞いてることしかできなかった。 そんな感じで零菜さんの話を30分ほど聞いていると、電話番号を交換したあの日の話になった。 初めは他人に話していいのか迷ったが、まったく関係無い麗美さんだからこそ話せる内容だと判断し、優くんと由奈ちゃんの相談をさせてもらった。 勿論優くんの素性は伏せ、友達からの相談として零菜さんに話した。 話の内容に驚かれると思っていたのだが、そんなことは無く零菜さんは親切に相談に乗ってくれた。 そして相談していくにつれ、私もいつの間にか自分の感情を剥き出しにして零菜さんに話していたのだ。 451 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 41 09.15 ID IgxcIWs6 なんとか優くんを助けてあげたいこと…由奈ちゃんに間違っている事を自覚してほしいこと…。 気付けば零菜さんにすべてを話していた。 『ふふ、本当にその男の子のこと好きなのね…』 「いや、まぁ……ははっ…はい…」 別に隠しても仕方ない。 麗美さんなら問題無いだろう…。 「あっ、そうだ!麗美さんって兄妹居るんですか?」 麗美さんの名字は優くんと同じ。そんな偶然ある訳無いと思うのだけど一応…。 『兄妹?初めて会った時に言わなかったっけ?兄と妹が二人居るわ』 「あっ、そうでした!ごめんなさいっ!」 そういえば言っていた気がする…夢のような時間だったのであまり覚えていないのだ。 『あっ、ごめんね?休憩終わっちゃった。また電話するわ』 「あ、そうですか……分かりました。それではまた…」 電話を切り、ベッドに放り投げる。 麗美さんの兄妹…。 でも、優くんとはやっぱり関係無いみたい…確か麗美さんは私や優くんと同い年。 それに今思い出した事だが、優くん本人が妹は由奈ちゃん一人しか居ないと言っていた。 優くんと顔が少し似ているけど、やはり思い過ごしのようだ。 てゆうかそんな偶然続く訳が無い。 452 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 41 42.17 ID IgxcIWs6 「ん…メール?」 投げた携帯が青い光でピカピカ点滅している。 あの光の色はメールが届いた時に光る色。 再度携帯を掴み中を確認すると、知らないアドレスが表示されていた。 メールの内容を確認してみる。 『今さっき電話したのにメールでごめんね? さっきの話だけど、薫ちゃんが強引にでも引き剥がせばいいんじゃない? 多分、そういう関係は他人が間に入らないと改善されないんじゃないかな? 一度薫ちゃんからその男の子をデートに誘ってみたらいいよ。それで薫ちゃんの気持ちを伝えてあげなよ。 お節介でごめんね?でも応援してるから頑張ってね』 文を何度も読み返し、確認する。 「これって、麗美さんだよ…ね…」 わざわざ忙しい中メールしてまで相談に乗ってくれるなんて…。 麗美さんの言う通り、私が何とかしないといけない。 「よ~し!さっそく優くんに電話しなきゃ!」 麗美さんの言葉に勇気づけられた私は早速優くんを誘うべく優くんの携帯にメールを送った。 「よし……あっ、零菜さんにもメールしなきゃ!」 先ほど送られてきたアドレスにメールを返す。 「これでOK…って、あれ?そう言えば……私零菜さんにアドレス教えたっけ?」 453 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 42 10.49 ID IgxcIWs6 ふと、零菜さんのアドレスを見て疑問に思った。 記憶を遡り思い出してみるが、教えた記憶は無い。 「ま…いっか!優くんとデートかぁ…ふふっ楽しみだな」 多分零菜さんと初めて会った時にでも教えていたのだろう…。 つまらない疑問を頭から消し去ると、優くんからの返事を待つことにした。 ※※※※※※※※ 「……」 携帯を閉じテーブルに乗せる。 私は電話は苦手だ……苦痛さえ感じている。 電話が苦手と言うより会話が苦手と言ったほうがいいかもしれない。 とくに他人の場合は…。 ため息を吐き捨てテーブルの上にある小さなティーカップを掴み口に持っていく…私の愛用しているティーカップ。 四年ほど前に父から誕生日に貰ったプレゼントだ。 他にも誕生日になるといろいろなモノが届けられる。 どれも高価なモノばかりで、必ず手紙が添えられている。 手紙の内容は…まぁ、見飽きた殺し文句の羅列だ。 綺麗だ…愛してる…お付き合いしてください。 正直飽き飽きしている。 自分に自身があるのか、自分撮りの写真を添えるファンも多い。 そういった手紙はすべて読まずに捨てる事にしている。 貰ったモノも知り合いに流している。 454 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 42 32.92 ID IgxcIWs6 仕事柄、プライベートを貰ったもので身を飾ると滑稽に映るからだ。 「零菜さん、そろそろ大丈夫ですか?」 私の元に小柄な女性が歩み寄ってきた。 眼鏡を掛け、髪を後ろに縛りスーツを着こなす女性…名前は…忘れた。 別に覚えなくていい。 覚える必要が無い…。 「貴女…明日から違うモデルの子についてね」 「へっ?」 唐突に発せられた私の言葉に顔をひきつらせている。 「私のマネージャーは違う子にするから。だから貴女は違うモデルの子について。話はそれだけ、さようなら」 手のひらをヒラヒラとなびかせ消えるように急かすと、オドオドとスタジオから姿を消した。 これで何人目だろうか?もう覚えていないが、軽く二桁は超えているだろう。 別に要領が悪いとか合わないとかでは無い。 単純に同じ顔を見ていると飽きてくるのだ。 だから飽きたら捨て飽きたら捨ての繰り返し、誰も私に歯向かわないから余計に腹が立つ。 ヘラヘラと人の顔色を伺ってはペコペコと…唯一私に反抗するのは血を分けた双子の兄だけ。 そう…私より劣ってるあの“不出来”な兄だけなのだ――。 455 名前:狂もうと ◆ou.3Y1vhqc [sage] 投稿日:2011/03/29(火) 23 44 45.41 ID IgxcIWs6 「……」 優哉の顔を頭に浮かべたら腹が立ってきた。 テーブルから携帯を雑に取り優哉の元に電話をかける。 今頃は空が家の空気を歪めているころだろう。 見知らぬ“妹”が家に突然上がり込んできたのだから、由奈が黙って見ていられる訳が無い。 「……」 数コール鳴らしてみたが、電話に出る気配を見せない。 仕方なく電話を切る。 まぁ、いい…空を迎えに行った時にでも話せばいい。 どうせ電話しても由奈が出て優哉に繋がないだろうし…。 「ふふ…今度はどんな歪んだ表情を見せてくれるのかしらね?あの“兄妹”は」 ――私の暇潰し……それは言葉通り目標を“潰す”ことだった。 戻る 目次 次へ
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前へ 心配そうに遼子の顔を覗きこむ兄の瞳の奥に、理性の光が微かに見えた。 「いや!嫌だよ…!こんなことされたら、大好きなのに、お兄ちゃんが嫌いになっちゃうよ!」 洸至の微かに残された理性に遼子は訴えかけた。 「お願い、いつまでも大好きなお兄ちゃんのままでいて」 「くそ…でも離したくない…離せないんだ、お前のことが…俺はずっと…」 「お願いずっと好きでいさせて…」 「くそ…」 洸至が何かを振り切る様に歯を食いしばった。 「好きでいさせて…か」 洸至がゆっくりと遼子から躰を離す。 「でも…離したくない…今の俺にはこれがやっとだ…お前を守るには…これしかない」 そう言うと、洸至は頭を振りかぶり、遼子の頭上にある壁に突っ込むようにして頭をぶつけた。 鈍い音がして、洸至が遼子の上に崩れ落ちる。 「…え?お兄ちゃん…お兄ちゃん!!!!」 洸至が眼を醒ました時、部屋は暗かった。 少し身を起すだけでも、額がひどく痛んだ。手をあてると、そこには冷たいタオルが置かれていた。 タオル越しでも相当腫れているのがわかるくらいの大きなこぶができている。 部屋に遼子の姿はなかった。 自分が壁に頭を打ち付ける前遼子にしたことが蘇る。遼子の柔らかな躰を俺はきつく抱きしめた。 そして血の味のする口づけ―――。 洸至は頭を抱えた。 あんなことしたら、遼子が出て行って当然だ。兄としてしてはならぬことを…。 常日頃、夢の中でだけ許していた甘美な悪戯を、薬に酔っていたとはいえ遼子にしてしまった。 遼子を失ったあまりの寂しさに、腫れあがった額以上に洸至の胸は痛んだ。 「あ、お兄ちゃん起きたの?」 もう聞けないと思っていた妹の声だった。 洸至が振り返ると、洗面器をお盆に載せた遼子が部屋に入り口に立っていた。 「遼子…出て行ったかと思ったよ」 洸至の真剣な声色を遼子が笑顔で受け流した。 「お兄ちゃん、真面目な顔して何言ってるの?私が出ていく訳ないでしょ」 遼子が笑ってお盆を置いた。 「片山は」 「さっき帰したの。お兄ちゃんみたいに、眼を醒ました時にはいつのも片山さんに戻っていたから。 それから片山さん、鳴海さんにあんなことしてしまって、ってすごい勢いで謝っていたのよ。明日会ったら お兄ちゃんも許してあげて。元はと言えば私が調べていた薬のせいだし…」 遼子が洗面器の中のタオルを絞ると、洸至の額にあるタオルを取った。 「腫れてるね~。このこぶ、明日も目立つかもよ」 タオルの下のこぶをしげしげと見て遼子がそう言った。それから濡らしたタオルを洸至の額に当てる。 「ごめんな、遼子」 洸至はその後言葉をつなげなかった。 いつもは嘘をまき散らし真実を隠蔽し捻じ曲げる自分が、まるで無力だ。 遼子を押さえつけ抱きしめながら囁いた真実のせいで、この舌が嘘を紡がなくなっている。 「薬のせいよ。この薬のこと記事にしないと危険よね…」 遼子が眼を伏せ洗面器の中に入れたタオルをゆすぎながら言った。 「片山さんはあの時のこと、憶えているって言っていたけど…。ただ薬のせいで、眼の前にいた私が恋人みたいに 見えたって。お兄ちゃんもそう?あの時私のこと本当にそう思ったの?」 洸至の口の中がカラカラに渇いているせいで、舌がうまく動かない。 かろうじて洸至が出せた言葉は、呻くように言った「ああ」という一言だけだった。 その一言の中に、洸至の想いが詰まっていた。 あの時、本当に恋人だと思っていた。 いつもそうであればと願っていたように。 兄が、兄以上の思いを持って自分を見ていたと遼子に知られたのだろうか。それとも…。 洸至は、遼子の次の言葉を待っていた。 遼子が何を言うかで運命が決まる。ほんのわずかな時間だが、洸至には永遠にもひとしい時間に感じられた。 「ってことは、私が史郎ちゃんの前でこれを使えば…」 拒絶され嫌悪されることを予期して洸至の心は衝撃に備えていたが、別の方向からの衝撃が洸至を襲った。 「史郎…?前にお前を振った男か」 洸至がのろのろと遼子の方を見た。 遼子が顔を赤くして目を逸らした。 「べ、別にこの薬を悪用しようなんて考えてないんだからね。その、史郎ちゃん…遠山さんみたいに 理性的な人の前でこの薬を使ったらどうなるかなって思っただけであって、下心からじゃないからね! 記者としての純粋な探求心よ」 「待て遼子…俺がああなったのは」 「薬のせいでしょ?お兄ちゃんはあんなことする人じゃないもの」 遼子が首を傾げて洸至を見た。露とも疑いを抱かぬ、洸至を信じきった眼だった。 「…そうだな」 洸至の舌が、遼子の信頼に応えて再び嘘を紡ぎ始めた。 ―――もうすこしだけ兄妹でいよう。 安堵とほろ苦い諦めが洸至の胸の中に拡がっていく。 洸至の眼に、リビングのテーブルの上の例のサプリメントが止まった。 洸至はタオルが落ちるのも構わずに立ち上がると、そのサプリメントを手に取りトイレに向った。 兄の思惑に気付いた遼子の制止の声を無視して、瓶を開けると中の錠剤をトイレの中に捨てた。 「遼子、こういう薬を使って思いを遂げても空しいだけだぞ」 薬に幻惑された時に見た遼子は本当に美しかった。遼子の濡れた唇の感触、血の味の口づけ。 あの甘美な瞬間は俺だけのものだ。 「そんなぁ」 遠山なんかに味わわせてやるものか。俺はそれ程お人よしじゃない。 「本当に好きだったら正面から当たるんだな」 肩を落とす遼子を見ながら洸至は言うと、レバーをひねり全てを洗い流した。 エロなしごめんなさい。次こそは兄にいい思いをさせます。 不憫な兄が可愛くて、今回も不憫オチにしてしまいました。 あと連番間違いました(汗) 263が本誌美人記者兄妹による体験手記5です。 体験手記「お兄ちゃん編2」GJです。堪能しました。 グランバストで結局良い目を見たのは鷹藤君だけか?w 兄よ、遼子にも薬を飲ませれば、お互い合意の上で・・・げほげほ グランバストは鷹遼はキスだけでおわれるの? そんなことないよね、続き頼みます。 リクエストはだいだい書いてくれるよ書き手さんに感謝。
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647 名前:埼玉は滅亡しているか【SS】前編:2013/05/13(月) 00 38 14.83 ID CUJ9zZ4jO 例のツイッターをネタに書いてみました。埼玉関係ないですね(笑) 温かいお布団を抜け出ると、そこはまるで北国だった。 「なにこの寒さ、尋常じゃないんですケド」 急いであたしはエアコンをつける。少しずつ暖まる部屋の中。 「んーでもあいつのじゅーでんに比べたらイマイチだな」 昨夜は(も)、例によって足りないものをじゅーでんでたくさんたくさん補ってもらったのだった。そういやあいつはどこにいるんだろ? 「おう、お目覚めだな」 「母さん、お早う」 「おはよう。て、何これ? すごい雪じゃん!」 庭に出ていた京介と涼介の後を追ってみると、そこは一面の雪景色だった。 「しゅごーいぃ!!!」 けたたましい声に振り向くと、愛娘の優乃が興奮冷めやらぬ顔で外を見やっていた。 「おい優乃、ご近所迷惑だろ。静かにしろよ」 「ぶー。だってお兄ちゃん、こんなすごい雪を見て興奮しないわけがないじゃん」 「分かったから早く着替えろよ。その格好じゃ風邪ひくぞ」 「はいはい。って、それ急げー」 寝間着姿のままだった優乃は部屋に駆けていく。 「しかし、俺もお前たちも皆休みでよかったよなあ」「ああ、こんなんじゃバスも電車もまともに動かないだろうから。学校休みでよかったよ」 「おまたせー。」 「だからうるさいぞ」 「へっへっへー。それでは大雪を記念して、家族皆で雪遊び大会を行いまーす!!」 「やれやれ聞いちゃいない」 涼介のため息を尻目に優乃は何やら語り出した。て、それは…… 「関東には雪が降っていた 越谷あたりまでくると街がすっかり雪の下に その真っ白い平原に たくさんの魔物たちが徘徊している……」 「ちょ、優ちゃんその話って」 「ああ、この話はその昔きりりんって美少女中学生作家さんが書いた痛いショートストーリーなんだ」 「ぷぷっ」 傍らで思わず吹き出す京介。てか、そこは笑うとこじゃないから! 「へえ、おもしろそうじゃないか。優乃続けろよ」 いやいや涼ちゃん、そこはさっきみたいに優ちゃんの暴走を止めるとこなんだけど…… 結局優乃は、かつてネット上で一大反響を巻き起こした名(迷)作を最後まで朗読し続けたのだった 「なんかすごい話だったでしょ。でもね……」 それまでの笑い顔から突然真顔になる優乃 「わたしは、この最後の『みんなで雪の上に 大きな妹の絵を描こう』ってところに、何かこう、ぐっときちゃったんだ」 「優ちゃん……」 「きりりんさんは、それまでぶっ飛んだ内容ばかり書いてたのに、なんでここでまじめに妹を可愛がるお姉さんに戻ったんだろう?」 648 名前:埼玉は滅亡しているか【SS】後編:2013/05/13(月) 00 39 39.22 ID CUJ9zZ4jO 「……あのね優ちゃん。きりりんちゃんも、子どもの頃、 優ちゃんみたいに大雪が降った時にとても嬉しかったことがあったんだよ」 あたしは意を決して語りだす。 「きりりんちゃんにはお兄ちゃんがいたの。めったにない大雪だから、きりりんちゃんはお兄ちゃんと遊びたくてたまらなかった。 でもね、結局きりりんちゃんはお兄ちゃんと遊べなかった。二人はしばらく前から疎遠になってしまってたから……」 「せっかくの大雪。きりりんちゃんはね、お兄ちゃんと遊びたくて仕方なかったんだよ その時の思いが、後になってもきりりんちゃんの心の片隅に残っていたから、 大雪が降ったらお兄ちゃんと一緒に雪に大きな絵を描きたかったから…… だからきりりんちゃんはその事をモチーフにしたお話を書いたんだ」 あれから何年もの月日が流れた。兄貴、京介とはなんだかんだあった後に、また仲良くなれて今の生活に至ってるわけだけど、 子どものときに見た雪景色は、なかなかあたしの前に姿を見せることがなかった。 でも今、それが目の前にある。優乃の語りだした話が、あたしの昔の、そしてさらに昔の思いを甦らせていく…… 「そうだったのか。知らなかったよ。馬鹿兄貴は、きりりんちゃんにつらい思いをさせてたことを謝らないとな」 京介が、いつもの優しい手のひらであたしの頭をなでる。それで、あたしは何だかたまらずに涙が込み上げてきた。 「全くお父さんったら、お母さんを泣かしたら駄目でしょ」 「わるいわるい。よし、桐乃が涙を拭いたら皆で雪の上に絵を描こうぜ」 「それじゃあ、まず俺が雪の上にへちゃむくれな妹の絵を描いてみよう」 「何それ、ひっどーい。お父さん、お兄ちゃんに言ってやってよ。『お前の可愛い妹がそんなへちゃむくれな訳がない』って」 わいわいがやがやと騒ぎ立てる皆を見てると、涙は自然に止まっていた お布団の中でのじゅーでんとはまた違った暖かさが、あたしの身体を包みこんでいくのが分かった 今のあたしは、とってもとっても幸せ 今なら この一家 世界中のどんな一家にも勝てるんじゃね? 今こそ 昔できなかった分まで おもいきり京介と そして涼介と優乃と遊ぶべき さっそく みんなで 庭でおもいっきり 遊ぶとするよ 『みんなで雪の上に 大きな家族の絵を描こう』 ----------
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244 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 12 26 ID AuzlL4T4 白い少女は一人で星を見上げていた。 「あれはこと座、その上にはくちょう座、下にわし座。 あれはさそり座、まっ赤な星がある」 少女は一人で星座を数えていた。 全て昨日、少年に本で教えてもらった。 今まで全然星座を知らなかったけれど、少女は必死で覚えようとした。 今夜、ここで三人で一緒に星を見る為に。 きっと少年が一つ一つ覚えた星を指差して教えてくれる。 それから、一緒におやつも食べる。 だから、今夜ここに来るのがとても楽しみだった。 「つまらない」 少女は呟いた。 けれど、それは誰も聞いていない。 彼女は一人だったから。 「……嫌」 今までは一人で居ると誰の目にも触れないから好きだった。 でも、少年たちと暮らすようになって一人で居るのが嫌になった。 「お兄ちゃん?」 ここに居ない大事な人を呼ぶけれども、やはり返事は無い。 「あれはいて座、となりにへびつかい座……」 しばらくしてから少女はまた星座を数えだした。 寂しさを紛らわしかったから。 245 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 13 15 ID AuzlL4T4 「しっかし、先生も強引だよな~。 勝手に人の絵を賞なんかに出してくれやがって」 その声で私は目を覚ました。 お兄ちゃんの膝に座ったまま、うとうと眠っていたようだ。 壁に立て掛けてある絵に目を向けた。 あの廃墟で独り佇む私の絵、まるでさっき見た夢のように見える。 でも、絵の中の私は、子供の私じゃなくて今の私。 「とは言え、お蔭様で少し賞金が貰えたのはありがたいか。 シルフ、何か欲しいものないか?」 とっても綺麗な絵だと思う。 青いような夜空に、白い少女がくっきりと浮かび上がっている、でも。 「お~い、シ~ル~フ~?」 お兄ちゃんがぽんぽんと私の頭を叩く。 「え、あ、ごめんなさい、お兄ちゃん」 「おいおい、最近ぼんやりしてる事が多いぞ。 ま、それもシルフらしいのかな?」 「うん、気をつける」 「くす、そっちの方がシルフらしくて可愛いよ。 その絵、気に入ってくれたか?」 「うん、とっても綺麗だと思うよ。」 すると、お兄ちゃんが少し残念そうに笑った。 「気に入ってはくれない、ってところかな?」 「ううん、私も好きだよ。 だってお兄ちゃんが描いてくれたんだもの」 本当はお兄ちゃんには悪いけど、この絵は好きじゃない。 そこにはお兄ちゃんが居ない。 まるで私だけあの時の廃墟に取り残されて、そのまま成長したように見える。 それでは私が本物の幽霊みたいだ。 きっとあの絵の中の私は幸せじゃない、だから好きになれない。 「いいんだよ、無理しなくても」 お兄ちゃんが慰めるような優しい口調で言う。 246 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 13 36 ID AuzlL4T4 「ううん、好きだよ……」 きっと私の気持ちをお兄ちゃんに悟られた。 お兄ちゃんはそんな答えは求めてなんていない。 求めていない答えなんて言ってはいけないのに。 「私はこの絵が本当に好きだよ」 必死にお兄ちゃんにそう訴えた。 すると、お兄ちゃんは黙って私の頭を撫でてくれた後、立ち上がった。 「え、お兄ちゃん、何処に行くの?」 「ああ、ちょっと大学にな」 「今日は日曜日だけど?」 「夕飯までには戻ってくるよ。 ちょっとだけ絵を描きたくてさ。 そうだな、別に賞を貰ったからとかじゃなくて、 どうしても描きたい物が前からあったんだ。 きっとその絵ならシルフも気に入ってくれると思う」 お兄ちゃんが照れくさそうに笑う。 「うん、楽しみにしてるね」 本当はお兄ちゃんの手を掴んで引き止めたかった。 絵なんてもう描かないでずっと私と居て、って言いたかった。 247 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 14 05 ID AuzlL4T4 ************************************* お兄ちゃんはまだ帰ってきていない。 今、お兄ちゃんは何処で何をしているのだろう? きっと、学校で、絵を描いている。 私をここに置いてきぼりにして。 違う、そんな訳ない。 お兄ちゃんは私の為にって言っていたのだから。 絵なんかより、私の方が大切に決まっている。 でも最近、お兄ちゃんが分からないって思う事が増えた。 お兄ちゃんの事を知れば知るほど、 お兄ちゃんが分からなくなる、そんな気がする。 決してお兄ちゃんが私を蔑ろにしている訳じゃない。 全く逆、いつもとても大切にしてくれる。 でも、私には何かが不安だ。 大切にしてもらえれば、それだけ嫌な予感がする。 だけど、いつかお父さんやお母さん達みたいに居なくなっちゃいそうで、怖い。 だから姉さんに相談する事にした。 姉さんならお兄ちゃんの事は何でも分かるから……。 お兄ちゃんの大事な妹だから。 248 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 14 38 ID AuzlL4T4 「珍しいね、シルフちゃんからお姉ちゃんに相談だなんて」 姉さんが私にお茶を淹れてくれた。 「姉さん、私、姉さんに聞いて欲しいの……」 「良いよ、雪風お姉ちゃんに全部話して」 優しい姉さんの表情に心がほっとする。 その姉さんの優しさに勇気付けられて、 私は今まであった事を全部、姉さんに伝える事が出来た。 お兄ちゃんが私が作るよりおいしいご飯を作ってくれた事。 一緒に居てくれるってずっと昔にした約束を覚えてくれていた事。 それから、あの絵が嫌いな事。 私はお兄ちゃんに私の為の絵なんて描いて欲しくない事。 なのに、最近のお兄ちゃんは暇さえあれば私の為っていう絵ばかり描いている事。 そんな事よりももっと私と一緒に居て欲しいって事。 「ふうん、そうだったんだ。 それでシルフちゃん、お姉ちゃんはどうすれば良いのかな?」 姉さんが微笑みながら、柔らかい声で私に問う。 「分からない、でも姉さんに聞いて欲しかったの。 姉さんなら本当の兄妹だから、お兄ちゃんの事、何でも分かるから」 「ねえ、シルフちゃん?」 いつものように姉さんの声は暖かい。 それが不安な今の私にはとても心強く感じられる。 「うん、姉さん」 お願いだから、助けて。 249 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 15 47 ID AuzlL4T4 「あのさ、シルフちゃんって、 他人の気持ちが分からないんだね、 ってよく嫌われないかなぁ~?」 時間が止まった。 姉さんはいつもみたいに優しく笑っている。 ただ、いつもと違う事を言っただけ。 たったそれだけなのに、私は動けない。 「え、ね、姉さん?」 姉さんは私の戸惑いを無視するかのように淡々と続ける。 「シルフちゃんってみんなに嫌われるのが、 外見のせいだっていつも私達に言っているよね? そんな事無いわ、シルフちゃんは妖精みたいにとっても可愛いよ。 お姉ちゃんだって本当は嫉妬するくらいだもの。 シルフちゃんみたいに可愛かったらきっと兄さんも私に夢中になってくれるのに、 って何回考えたか数えきれない位なんだよ。 なのにシルフちゃんは見た目が不気味だから人から嫌われてるって言うの? 違うよね、本当は今みたいに人の気持ちを大事に出来ないからだよね? だから、シルフちゃんは嫌われるんだよ」 嫌われる、姉さんにそうはっきり言われて胸がずきりと痛む。 別に他の人にならいくらでも嫌われていい。 ただ、お兄ちゃんと姉さんだけには絶対、嫌だ。 なのに姉さんがそんな事を言うなんて、どうして……? 「ふふ、シルフちゃんの言っている事ってね。 お姉ちゃんにはこう聞こえるんだよ? 私だけの為に兄さんが料理を覚えてくれて、 私だけの為に兄さんが絵を描いてくれて、 私だけの為にずっと一緒にいてくれるって、 そんな約束を兄さんが守ってくれて幸せなんだ~。 でも幸せすぎて不安になるから、 もっと幸せになりたいから、姉さんは私の為に何かしてくれないのって。 お姉ちゃんならお兄ちゃんの本当の兄妹なんだから、 お兄ちゃんの大事なシルフちゃんを当然幸せにしてくれるんでしょ、って。 シルフちゃんはそう言いたいのかな?」 「ち、違うの、私は……」 「いいな~、シルフちゃんはそうやって駄々を捏ねて泣き付くだけで、 兄さんが可愛がってくれるんだもんね~」 ただ怖かっただけなのに。 姉さんならきっと助けてくれるって思っていたのに。 250 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 16 16 ID AuzlL4T4 「シルフちゃん、お姉ちゃんが前言った事、覚えてるかな。 お姉ちゃんね~、もう兄さんから見捨てられちゃったんだよ?」 姉さんの笑顔は私には冷たく、暗いものに見えた。 「兄さんは、雪風よりシルフちゃんの方が大事なんだって~。 それは覚えているよね? この前、シルフちゃんがちゃ~んと聞いてくれたんだもの」 姉さんの追及に胸の鼓動が止まりそうになる。 やっぱり、姉さんは見ていたんだ……。 「でも、姉、さんは見捨てられてなんて……」 「うるさいなぁ」 とても煩わしそうに姉さんが言った。 その言葉に全身がびくりと固まる。 「一つシルフちゃんに教えてあげるね。 そうやって無神経なことをべらべら喋られると いくらお姉ちゃんだからって段々苛々してくるの。 分からないわけないよね?」 私は姉さんの問い掛けに声が出せなかった。 「どうしたの? 何か言ってくれないと、お姉ちゃんは分からないよ?」 「……ごめんなさい」 それだけしか言えない私を睨み付けて、 はぁー、と姉さんが深いため息を吐いた。 「あのさ、もう私も我慢し切れないなから、 今からシルフちゃんに酷い事を言うけど許してね。 良いよね、今までずっと我慢してきたんだし……」 251 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 16 47 ID AuzlL4T4 ヒトノ気持チナンテ何モ分カラナイシルフチャンハ、 絶対ニ兄サンニ嫌ワレルヨ。 ダカラ、早ク兄サンニ見捨テラレレバ良イイノニネ。 要ラナイワタシミタイニ。 姉さんはそう吐き捨てた。 その時の姉さんの目はいつか見た夢の中の女の子と同じだった。 252 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 17 26 ID AuzlL4T4 ************************************* 姉さんと話をしてからどれくらいが経ったのだろう。 姉さんはとっくに部屋を出て行った。 お茶は冷たくなってて、外はもう暗くなり始めている。 でも私はずっとここから動けていない。 私は姉さんに嫌われたの? 姉さんは私よりも何でもできるのにいい加減で。 いつも能天気で。 良く私に抱きついてきて。 暑苦しくて。 とってもおせっかいで。 でも誰よりも優しい人で……。 私は、そんな姉さんに嫌われたのかな? 姉さんに言われた、私は嫌われるって。 どうして? どうしてだろう、どうして私は嫌われるの? 253 :幸せな2人の話 15:2010/12/10(金) 23 18 17 ID AuzlL4T4 気が付くと涙が止まらなくなっていた。 動けない位に、独りぼっちなのが怖くて堪らなかった。 その時にお兄ちゃんがやっと帰ってきてくれた。 だから、私はお兄ちゃんに抱きついて泣いた。 お兄ちゃんは困惑しながら、私を優しく撫でてくれた。 どうして泣いているのかを聞こうとしてくれた。 でも私は言えなかった。 きっと、姉さんに嫌われたって知られたら、 お兄ちゃんにも嫌われてしまうから。 そんなの嫌だ、絶対に嫌だ。 嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ。 そんなの、嫌。 お兄ちゃんに嫌われるのだけは嫌だよぅ……。 戻る 目次 次へ
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571 名無しさん@ピンキー sage 2009/05/07(木) 11 14 13 ID ZkUJ8LNB ちょっと失礼します・・・投下するスレ間違えたので、誘導されてここに来ました・・・ 貼り付けておきますね・・ カタカタ・・・カチッ・・・(私はいつものようにネットのファッションサイトを見ている) 妹「今日は、なんか収穫ないぁ・・・いい服でないかぁ・・・このスカート・・たかーい・・・ねっ、お兄ちゃん!」 そういいながらパソコンモニタの右下にあるWebカメラの画像に問いかける・・ その画像には一人の男の子・・・そう、私のお兄ちゃんの映像がライブ形式に流れている。 部屋の天井に設置されてるのであろうそのカメラに本人はまったく気が付いていない・・・ (・・・だって私がこっそり設置したんだもん・・・)思わずよだれが出そうになる。 ん、おにいちゃんしちゃうの??ん?出したいのぉかなぁ? 画面に問いかける 画面の中の男の子は机の方に向かい、引き出しを開ける・・・・ そして・・・一番したの引き出しを取り外し、その裏から1冊の本を取り出す。 妹「そっか、出したいんだね・・・いいよ♪」 カチッ・・・ マウスのクリック音と共に●REC(録画)のマークが点灯する。 妹「お兄ちゃん可愛い・・・えっ、ちょっと、今、目あっちゃったよぉ。」(足をバタつかせてしまう) Webカメラ越しに目がたまに会ってしまう・・・ 妹「イキそうなの?お兄ちゃん!・・・いっちゃうの?」 その男の子はテッィッシュの箱に手をかける Webカメラの映像を凝視しながら 妹「1、2、3、4、5、、、5枚か、、、」ティッシュのとった枚数を数える。 すぐさま、自分の杖の上にあるティッシュ箱からから、同じ枚数を取る そして、工作用のノリを取り出し、おもむろに染み込ませる・・ 妹「今日は少ない方だねぇ・・・よっ・・・・完成っと。」さっきのティッシュを丸める。 1分後・・・ そろそろ、お兄ちゃんもキレイキレイしたいよね・・・・せーの、 妹「お兄ちゃんーお風呂沸いたよー!早く入ってーー!」 兄「うん、わかったよー」 Webカメラ映像から兄の姿が消える・・・・ 妹「潜入開始♪」 席をたって、さっきの丸めたティッシュを持って部屋を出る・・・ 妹「あった、あった・・・ゴミ箱に入れられたティッシュの塊と手元のティッシュを交換する」 その後、部屋の枕を一瞬抱きしめて部屋を後にする。 妹「さて、お兄ちゃんセックス、しよっか♪」 ノートパソコンをベットの上に運ぶ。 丸められたティッシュの塊を丁寧に解くと、その中心部にはべったりと精液がこびりついていた 妹「今日は五枚だから、3枚でいいかな♪」 3枚の精液がべったり付いたティッシュをもう一度丸める。 そして、それを自分のショーツのクロッチをずらし、性器にくわえさせて、もう一度クロッチを戻す 妹「あん、おにいちゃんの当たってる」 残りの2枚を鼻元にあてがう・・・ 妹「お兄様の匂い・・・・」目がトロンとしてしまう・・・ そして、パソコンの再生をクリックすると、先ほどの男の子はしきりに自分のペニスをしごく映像が流れる・・・ 妹「あんっ、、、お兄様そんなに強引にしないで下さい・・・」 自分の股間にくわえさせられた、精液まみれのティッシュをグイグイ、ショーツ越しに押し込む 妹「いやん・・・あんっ!、やめてください、お兄様!!」クンクン、スー・・・ハー 精液まみれのティッシュを鼻にあてがい、鼻のみで呼吸する 妹「あんっ、あんっ、あんっ・・・あーーーーーーーいやーーーー」 その瞬間にショーツにシミが広がっていく・・・・ 口元から垂れたよだれを拭きとり・・・ 妹「携帯に入れて・・・明日の昼休みも見ないとね♪」 そういって、携帯電話が繋がれた、パソコンの転送ボタンをクリックする・・・ 573 名無しさん@ピンキー sage 2009/05/07(木) 15 34 16 ID ZkUJ8LNB ピッピピピピ・・・・・カチッ(目覚ましを止める) 妹「ふぁ・・・眠いよぉ・・・お、お兄ちゃんは・・・・」 あわててパソコンの起動スイッチを押す。 画面右下のWebカメラの映像が映し出される・・・ 妹「よかった、、、まだ寝てて・・・おはよっ、おにいちゃん♪」 時計を見る・・・・7時15分だ・・・ 妹「危ない危ない、あと、15分でお兄ちゃん起きちゃうよ・・・早く行かないと!!」 朝シャワーの為、自分のタンスの引き出しから洗濯済みのショーツを取り出す。 妹「れっつごーー♪」 カチャッ・・・・・(そーっとその男の子が眠る部屋に入る・・・姿勢を低くし、ベッドに近寄る) 妹「(小声で)・・・おはよっ、お兄ちゃん」 顔を覗き込む・・・よだれを垂らしながら寝ている男の子に挨拶する 妹「ラッキー♪今日は、出てる♪・・・頂きますね、おにいちゃん♪」 ズズズッ・・・チュルッ(口元のよだれを吸い取る) 妹「おいしぃ・・・(目がトロンっとしてくる)・・・駄目駄目、早くしないと・・) よいしょっと・・・(掛け布団の下半身をめくる) 妹「え、えっ!!今日ダブルラッキーだー♪お兄ちゃんのおちんちんはみ出てるーー可愛い~~」 トランクスの付け根から、ポロンっとでたペニスは朝勃ちしていた。 妹「失礼します・・・クンクン・・・(匂いを嗅ぐ)・・今日も、いい匂いだよー♪」 何かその先端に光るモノを見つけてしまう。 妹「・・・・え、ええっ!!!今日、何でこんなにツイてるの!やばいよぉ・・嬉しすぎ!! 朝立ちで、カウパーなんて・・・おにいちゃん、そんなに溜まってるんだぁ・・・私はいつでも準備おっけぇなのに・・・」 チラッ・・・目覚まし時計を見る7時27分 妹「時間がなくないよぉ・・・どうしよう・・・・そ、そうだ・・・」 手に持ってるショーツを一度、開けてクロッチ部分(股間部分)をつまむ・・・ 妹「綺麗にしてあげるからねぇ~ちょっとまってね~」 自分の洗濯済みショーツのクロッチ部分を指に巻きつけ、気づかれないように、やさしく、カウパーを拭き取る。 妹「綺麗になったよぉ・・・それじゃぁお休み」 (静かにドアを閉める)カッチャッ・・・・・ 20秒後・・・・・・ピピピピピピピ・・・・ ~ シャワー室 ~ 妹「今日、何でこんなについてるんだろ、もしかして、お兄ちゃんと結ばれる日が近いって事かなぁ♪」 シャワーを浴び終え、身体を丁寧に拭き取る・・・ 妹「お兄ちゃん、朝からエッチなんだからぁ・・・・」 さっき、お兄ちゃんのカウパーを拭き取ったショーツに足を通す・・・ いつも異常にショーツを引き上げる、股間に、しっかりとシミの付いた部分を食い込ませる 妹「お兄ちゃんのエッチ・・・当たってるぅ・・・」 股間部分を何回も撫で回す・・・ 妹「さてと・・・カチャッ(ドアを開ける)・・・・お兄ちゃんおはよ♪今日もおね坊さんかな??」 目の前にいる男の股間に視線を落とし、次に自分のスカートを見ながら(本当は今着けている下着を想像して) 妹「今日も一緒だね♪」
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284 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 52 01 ID qa1yn+0V 私が兄貴への思いを告げられずに、鬱屈した日々を送り続けて何年がたっただろうか。 窓の外を見れば、マンションの真下から藻岩山のてっぺんまで、この北の街は一面の雪景色に染まっている。 もうすぐ冬の街で始まるであろう恋人たちの季節。朝のニュース番組が盛んに喧伝するそれに私は一抹の嫉妬と侮蔑を込める。 「何がクリスマスイブのデートスポット情報だっつの、お台場ごと吹っ飛べ。畜生」 兄貴はカリカリになるまで焼いたベーコンを口に含みながら毒を吐く。 「モテないからって変な嫉妬しないの」私はトーストに白桃のジャムを塗る。 父さんは何も言わずに、黙々とバターを塗ったトーストを齧っていた。 やがて父さんはトーストとベーコンエッグの朝食をすべて食べきると、椅子にかけてあったコートを羽織りはじめる。 「今日、少し遅くなる」父さんはそう言って鞄を取ると、食堂の外へと出て行った。 どうせまた、母さんのところだろう。 本人曰く「終業時刻になると仕事が残っていても強制的に終わらせられる」職場に務めている父さんが遅くなると言うときは、決まって母さんのお墓に行く時だ。 父さんはよく母さんのお墓に行く。 なのに、それでもたまに母さんがそこにいるのように振舞う。 兄貴は父さんが静かに狂ってると言っているが、私はちがうとおもっている。 父さんはきっと、今もずっと母さんのことを愛しているんだと思う。 だから、母さんを忘れたくないがために、いつまでも母さんを感じれるように振舞って、母さんを愛していると言う事実を深く刻んでいるのだろう。 まるで手首を切って生きている証を刻みつけるように、そうやって生々しく母さんを刻みつけて、絶対に母さんを忘れないようにしているんだ。 私にはうっすらとだが、父さんの考えていることはわかった。 決して叶うことの無い、切なすぎる片想い。父さんは、私なんかよりもずっと深い悲恋を抱えているのだ。 「そら、俺たちも行くべ」 兄貴は私の分の食器も軽く流しで洗うと、食器洗浄機の中に突っ込む。 そして私たちはコートを羽織って家を出ると、すっかり冬の様相を呈した、雪の街へと踏み出した。 今日は十二月二十四日。世間ではクリスマスイヴとカップルたちが大手を振って闊歩するためのような日だが、私たちにとっては終業式と言う嬉しいイベントを兼ねた日でもあった。 夜のうちに積もった新雪を踏みながら、私たちは電停にたどり着く。 「兄貴」私は裸のまんまの兄貴の手を、きゅっと強く握った。「手ぇ、寒いでしょ」 「ん、ありがと」兄貴は頬を染めながら答える。 ここ数カ月で、兄貴は完全に私のことを異性としてみてくれるようにまでなっていた。 私の裏工作の賜物なのか、それとも元から私を異性として受け止めていてくれたのかは分からないが、私にとっては嬉しい半面、なぜか、どこか寂しい感じもしたのだった。 やがて、眩しいほどに朝陽を受ける雪を舞い上げて、深緑色のの連接車が滑り込んでくる。 私は兄貴の握った手を離すこと無く、連接車へと乗り込んだ。 285 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 53 17 ID qa1yn+0V 「冴えない顔だな、千歳」 今年最後の放課後、まだ賑やかな教室の俺の席の付近の蒸気暖房に寄りかかっていた健史が言う。 「ああ」俺はふるふると手を振った。「センター試験が近いのが憂鬱でな」 「……それでもお前は第一志望C判定だろうが」 「C判定だからこそどう転ぶか怪しいんだよ……」 健史はぐっと伸びをして、蒸気暖房から体を離すと千歳の席の前を離れていった。 「……はぁ」俺は深くため息をつく。 センター試験、受験、そしてそらの事。俺の中での問題は山積みだ。 特に深刻なのはそら。 あいつはきっと完全に俺を異性としてみているのだろう。ここ数カ月の態度が、何よりの証拠だ。 そして、俺自身もそらを女として見始めている……。 『人を裏切るのは妹とセックスするようなものだ』 少し前にテレビの洋画劇場でやっていた、コメディ映画の主人公が確かそう言っていた。 有名洋画のパクリとバカらしい演出だらけの映画の中で、俺は主人公が真剣な様子で言ったそのセリフだけが何故か印象に残っていた。 直訳すれば、妹に恋愛感情を抱くようなヤツは人間の屑だ。と言うこと。 俺は果たして屑なのだろうか。それとも人間として踏みとどまっているのだろうか。 窓の外を見ると、白に染まった校門と電車通りがあった。ああ。深緑色のボギー車が今電停についた。 俺は配られたプリントを全て鞄に突っ込むと、席を立った。 無性にどこかに行って、静かに考えたい。そんな気分だった。 昇降口と校門を抜け、電停の前の赤信号で立ち止まる。 まるでタイミングを合わせたように、道路の端の方から路面電車が雪の電停めがけてゆったりと走ってくるのが見えた。 やがて信号が青に変わり、電停へとたどり着いた俺の目の前に深緑色の丸っこいボギー車が止まった。 俺は電車に乗り込み、まるで屍肉を見つけたハイエナのごとく我先に空席へと群がる生徒を横目に、つり革へと手を伸ばした。 電車はいくつもの電停に停車を繰り返し、ふと俺が気がつけば既に終着であるすすきのの電停に停車していた。 「全線定期券でよかった」 俺は電車を降りると、当てもなく、単に小腹がすいたと言う理由でそのまま近くのマクドナルドに足を運んだ。 どこかの動画サイトでさんざっぱらネタにされ続けてるピエロのポップに出迎えられると、俺はそのままカウンターの前へと進む。 「ホットアップルパイとフィレオフィッシュ。あと水ください」 俺はそれらを抱えて二階の客席へと上がっていく。 客席は多くの席がうまっており、中には同じ制服の連中も何人か混じっていた。俺は適当な席につくと、チーズバーガーの黄色い包みを開けて、噛り付く。 少し安っぽい味が口の中に残った。 「やっぱこんなんじゃそらの作る昼飯にはかなわんか……」 もしかすれば今頃そらは家で俺の分の昼食も作ってるかもしれない。 何も言わないでふらっと出歩くなんて、悪いことをしたな。そう思いながら俺はチーズバーガーを食べ切り、そのまま次のフィレオフィッシュへと手を伸ばす。 「あれ?千歳さん?」 フィレオフィッシュを半分ほど食べたところで、俺は突然声をかけられる。 見上げると、同じようにトレイを持った眼鏡の少女、里野藍がそこにいた。 286 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 53 43 ID qa1yn+0V 「ふぅ……」 路面電車から降ろされた俺は、電車通りから裏通りへと入ってゆき、古ぼけたマンションの玄関をくぐる。 西日のせいで仄暗い共用のホールを過ぎると、いつも通り重苦しい雰囲気の、密かに俺が『囚人護送用』と呼んでいるエレベーターに乗り込んだ。 階数ボタンを押して扉を閉めると、エレベーターはゆっくりとした速度で、本当に死刑台に囚人を送り出すかのように昇っていった。 「せつないよぉっ……! あにきぃっ……もっと……っ!」 私のエッチな声が昼下がりの居間にわんわんと響いている。 指は次々に私の弱点を攻め上げて、時には酷く乱暴に引っ掻き回す。 だが、そんな痛みも、私の快楽と切なさにふやけた頭が、妄想の中の兄貴が与える快感に変えてしまう。 「もっと……もっとはげしくしてぇっ……!」 私の言葉通り、私の指の動きは激しくなる。 「ああっ! いいよぉっ!!」 もう私は、まるでシチューにつけた食パンのように、オナニーの作り出した妄想にじっとりと浸っていた。 それと同時に私の頭はこの虚しくも素晴らしい世界を維持すべく、触覚と快楽神経以外の外の世界へ通じる全ての感覚器官をシャットアウトしてしまっていた。 『囚人護送用』エレベーターはすぐに我が家の階に到着した。 窓の一つも無いために、真昼でも酷く薄暗い廊下を革靴を鳴らして歩いてゆく。 そして我が家の、これも刑務所のごとき重い鉄扉を開ける。 いつもならばそらがゲームでもやっていて、その音が玄関の方にまで漏れてくるのだが、今日だけはそれは違った。 「あにきぃっ……おにいちゃん、おにいちゃぁんっ! わたし、もうだめ、もうだめだよぉぉっ!!」 ラストスパート。指はこれでもかと言うまでに私の女の子の部分を磨り上げ、指が食い込むほどに胸を鷲掴みにする。 ぐちゅ、ぶちゅとひどくえっちな音が耳元で何度も鳴り渡る。 「おにいちゃぁぁんっ! すきっ! すきぃっ! だいすきぃっ!」 そう叫んだ矢先に、私は声にならない絶叫を上げながら、自分でも驚くほどに激しく悶えながら果てた。 最終区間を走りきった駅伝ランナーのごとくはぁ。はぁ。と肩で息を切りながら、私はソファに横たわったまま天井を仰ぐ。 そこにはいつもと変わらない、ヤニのせいで薄黄色く変色した天井と、プラスチックカバーの黄ばんだ照明があるだけだった。 どさ。 廊下の方から聞こえた突然の物音に、私は勢いの付いたワンタッチ傘の如く飛び上がった。 私の視線の先にあったのは、何が起こったのかわからない。いや、何が起こっていたのかは理解できたが信じられない。と言わんばかりの、呆気に取られた顔で立ちすくむ兄貴の姿と、どうやら音の主らしい、床に落ちた兄貴の鞄。 オナニーのあとの、虚しさを伴う余韻もあってか、私の頭は混乱することも、戸惑うことも無く、ただ酷く冷めていた。 「いや、見るつもりは無かったんだが、どうも凄い声がしたんで来てみたら……」 兄貴が必死の弁解を手を振って遮ると、私ははだけ気味だったブラウスをそのまま脱ぎ捨てる。 「兄貴、全部聞いてたでしょ」 ぱさり。とブラウスの落ちる音。 そして私はそのまま無防備な兄貴に抱きついた。 「そうだよ。兄貴も絶対気づいてたと思うけど、私ね、兄貴のことが男の子として好きなの」 兄貴は嫌悪感が混じる顔をそっとそらす。対する私は兄貴の顔をじっと見つめていた。 「もちろん兄妹で好きあったりエッチしたりするのはのはいけないことだってわかってるし、私のこと気持ち悪い妹だって思ってるかもしれない。だけど私は兄貴が、お兄ちゃんが大好きなの! お兄ちゃんがいいの! お兄ちゃん以外じゃダメなの!」 次々に私の口から吐き出される、包み隠すものも無い率直なまでの本音。 「そら……」 「お兄ちゃん! お兄ちゃん! お兄ちゃんっ!」ぎゅうっ、とお兄ちゃんの背中に私の指が食い込んでゆく。 口火を切ったように、私の中で感情がのたうち回って暴れてゆく。 もうその激流は私にも止められなかった。 「お兄ちゃん、もう私の気持ちはわかったと思うんだ。だから、ずっと思ってたこと……していいよね」 私はお兄ちゃんの耳元でささやく。 「エッチ……しよ」 287 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 54 36 ID qa1yn+0V そこから先はまるで全自動だった。 俺はそらの言葉のとおりにそらの体を包む制服のスカートと下着を剥ぎとる。 何年かぶりに見たそらの体は、あまり肉付きは良くない、小ぶりで、乱暴にしてしまえば壊れそうな印象を受けた。 俺はそらのつつましい胸に手を当てる。 俺の頭の中に罪悪感とか、道徳観念とか、そういうものは不思議と浮かばなかった。 このとき北見千歳と言う男の中は、先程俺に「好き」を連呼させてみせた妹を受け止めてやろうとする父性と保護欲、そして少しばかりの好奇心と性欲の混じった、よくわからない感情でいっぱいだった。 「ぁっ……」そらがかすかな嬌声を上げる。 俺はその生めかしいとは程遠い、切ない声をあげる林檎色の唇を自身のそれでふさいだ。 お互いに舌を入れたり、とかそういう技巧なんてなく、ただひたすらにちゅう、ちゅう、とお互いの口内を貪ることだけに夢中になっていた。 「はじめてのキスはレモンの味っていうけど」そらは、混ざり合ってどちらのものか分からない唾液のたれた唇を開く。「お兄ちゃんのキス、りんごの味がした」 「そりゃさっき食ったホットアップルパイの味だ、バカ」 「お兄ちゃんは私のキス、どんな味がした?」 「……ケチャップっぽい味だった」 「それ、お昼のチキンライス味だよぉ」 そらは、俺も今までに何度かしか見たことの無いような、最高の笑顔で、俺に笑ってみせた。 「キスって、癖になっちゃうかも」 そして、そらは唯一そらの体を守っていたショーツに手をかけた。 「うわ、ぐっちょり……」 脱ぎ捨てたショーツがフローリングの床に、ぺしょ。と水っぽい音を立てて落ちる。 目の前のそらは、産まれたままの格好で、はにかむように上目遣いで俺のことを見上げてきた。 「どう……私のハダカ、きれいかな」 俺は、ああ……としか答えられない俺自身に正直ムカついた。 「じゃ……するね」 そらは俺のスラックスのジッパーに手をかけると、それを一気におろして、中に手を入れる。 やがてお目当てのものを見つけて手を引き抜くと、ひんやりとしたそらの手に収まった少しばかり大きくなり始めた俺のものが顔を出す。 「これがお兄ちゃんの……」 手のひらで包み込まれながらも肥大化するそれを、しげしげと眺める。 さっきまではちょっとだけかわいいかも。と思ってたお兄ちゃんのおちんちんはむくむくと膨れ上がり、私の手に収まりきらなくなるほどまでになった。 「こんなのが私の中にはいるんだ……」 そう考えただけで、下腹部がきゅぅっ。と反応する。 ちょっとしたコンプレックスになってる、ぷっくりと膨らんだ股間の裂け目からは、お兄ちゃんが欲しい、欲しいとだらしなく涎を垂らして待ち焦がれている。 いつの間にこんなえっちな体になったんだろうか……正直すぎる体に私は自嘲する。 ちょっと調子にのって、私は猫なで声でお兄ちゃんに言った。 288 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 56 09 ID qa1yn+0V 「お兄ちゃん、ほら。いつでも大丈夫だよ」 「大丈夫……って」戸惑うお兄ちゃん。その仕草も、全部が可愛く見えてしまう。 私はお兄ちゃんを更にからかってみる。 「お兄ちゃんは普通に私の上になってしたい?それとも私が上になった方がいい?」 お兄ちゃんは赤面しながらああ、とかうう、とかしどろもどろになっている。 「私は、私が下になった方がいいなぁ」 そう言って私はごろんとソファに寝っ転がる。 そして手を軽く握って前に出し、足を広げて、足の付根の小高い丘を見せつけるようにした。 「えっへへ、ふくじゅーのポーズ……」 犬が自分より格上の相手に服従の意を持ってみせるポーズ。 もし私に犬の尻尾があるなら、千切れるくらいにぶんぶん振ってるに違いない。 お兄ちゃんは顔を真赤にして視線をそらしたが、おちんちんだけは正直にびくん、びくんと私の痴態に痙攣する。 「……本当にいいんだよな」 「全然大丈夫だよ」 「避妊とか大丈夫なのか?」 お兄ちゃんはまだ心配そうに聞いてくる。 「今日危なくない日だもん、全然大丈夫だよ」 大体、お兄ちゃんの赤ちゃんなら妊娠したいくらいだよ。と私は心のなかで付け足す。 「じゃ……いくぞ」 その宣言とともに、お兄ちゃんは私に覆いかぶさり、おちんちんが私の入り口にあてがわれた。 ずぷずぷ、とおちんちんは吸い込まれるように私のお腹の中に吸い込まれて行く。 だが、お腹の中の引っかかる感触と共に、途中でおちんちんは動きを止めた。 「これが……処女膜ってヤツか?」 「うん……たぶん」 破っていいよ。と私はお兄ちゃんに告げる。自分で誘っといてここでやめちゃうのも卑怯だし、なにより私の初めてはお兄ちゃんに破って欲しかった。 ずんっ! と付き入れられる感触。 そして、おなかが千切れそうなほどの激痛。 「―――――――――ッッ!!」 余りの痛みに私は声にならない声で叫んでいた。 「大丈夫か?」 「ものすっごい痛い」私はものすごい涙目で、呼吸を荒らげながらお兄ちゃんを睨んでいた。 マンガとか体験談だと処女でもそんなに痛そうな感じも無くイチャイチャエッチしてたのに、やっぱりすごく痛い。嘘つき。と叫んでやりたかった。 「でも……続けてくれなきゃやだ」 「本当に大丈夫なのか?」本当に心配そうなお兄ちゃんの声。 「痛くても……我慢するから……!」 こくり、と心配そうな顔を立てに振るお兄ちゃん。 そして腰の抽送がスタートされる。 破けた膜にいちいちおちんちんが引っかかり、お兄ちゃんが動く度に顔をしかめてしまう。 (私から誘ったのに、気を悪くしたらやだな……) ゆるやかなピストン運動は徐々に激しくなってゆき、そのうちに痛みもだんだんと薄らいでゆく。 正直、結構時間が経過してもまだ痛かった。それでも下腹部からじんじんと伝わってくる熱が、私に一匙の幸福感を投げかける。 「ぁっ……っ……」 ぐちゅ、ぐちゅ、とはしたない水音。ぱんぱんと腰のぶつかり合う音。そして私とお兄ちゃんの押し殺したような吐息。静寂に満ちたリビングは、私たちのエッチな音で占領されてしまっていた。 289 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 56 35 ID qa1yn+0V 「く……」 ごつごつとおちんちんは私の一番深いところをノックし、そのたびに子宮が熱を帯びてきゅうきゅうと震える。 「……そら、もう限界……」兄貴はばつの悪そうな顔で、私の中からおちんちんを引き抜こうとする。すかさず私はお兄ちゃんの上で足を交差させ、ぎゅっとお兄ちゃんを足の間で挟んだ。 「おい、そら!」 「……いいよ……出してもいい!」 お兄ちゃんの背中に手を回して、お兄ちゃんを抱きしめる。 「お兄ちゃん! 好き! 好き! 大好き!」 その瞬間、じゅわっ、と熱くなった下腹部が震え、きゅぅっとお腹が震えた。 「そら、そらっ、そらぁっ!」 「お兄ちゃん! お兄ちゃぁぁんっ!」 そして、お腹が震えたと同時に、私の一番深いところにお兄ちゃんのおちんちんから放たれた熱い迸りが降り注いだ。 「おにぃ……ちゃん……えへ……」 下腹部に感じる多幸感とお兄ちゃんの温かさ、そして行為の疲れの気だるさは、ゆるやかに私を包んでゆく。 今はずっと、このままでいて欲しかった。 290 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 57 13 ID qa1yn+0V 窓の外では茜色の陽が名残惜しそうに夜の世界へとかき消されてゆく。 そらはいつの間にか普段着に着替えて、台所に立っていた。 俺はといえば、リビングの真ん中で、ぼおっと夕方のワイドショーを何の気なしに眺めていた。 内容なんて全然頭に入ってない。 ただ、怖かったのだ。 流されるがまま、そらと結ばれてしまったと言う事実が。 もしそらが俺の子を妊娠していたらと言う仮定が。 今更俺にそらを拒絶することなどできない。いや、する資格がないし、できたとしても絶対にできやしない。 俺に拒絶されたそらがどうなるかなんて、絶対に俺は見たくない。 だが、俺にそらをこの世界の正義とそれに便乗した悪意から守れるだけの強さがあるかといえば、そんな強さも無い。 むしろ俺の方が逃げ出したいぐらいだ。 『人を裏切るのは妹とセックスするようなものだ』 ああ、そうさ。俺は裏切り者さ。 妹とヤっておきながら、その責任も取れないような最低の裏切り者さ。 だからなんだよ畜生。どうすればいいんだよ。 そらを捨てて逃げろってか? 「兄貴?」そらが顔をのぞき込む。「どうかしたの?」 どうかしたって?お前のせいだよ!そう叫びたかった。 「いや、何でもない」俺は立ち上がると廊下へと続く扉の方へと向かう。「ちょっと部屋戻ってる」 「うん……」 鋭い針を突き刺すように冷え込んだ廊下を早足で抜け、自室の扉を開くと、俺はそのまま電気も付けずに自分のベッドに潜り込んだ。 何も思わずにベッド脇に眼を移すと、愛用のDSが枕元に放り出されている。 「そういや、ちょっと前までよく協力プレイとかしてたっけ……」 つい何ヶ月か前、そらと俺がまだ普通の兄妹だった時期。まだそれほど経っていないはずなのに、酷く遠く、懐かしい時期。 「いったい、どこで間違ったんだろうな」 俺は枕に突っ伏す。 何分経っただろうか、外の明かりだけに照らされた薄暗い部屋の中に、くぐもった振動音が響く。 携帯のバイブ。俺はベッドから降りると、机の脇に放り出されたバッグを開ける。案の定音の発信源は俺の携帯だった。 すぐさま携帯を開くと、痛いほど明るい液晶画面に記された「着信 里野藍」の文字。 俺はすぐさま電話を取った。 291 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 59 22 ID qa1yn+0V 「兄貴ー」私は一通り料理を作り終えると、兄貴を呼びに行く。 兄貴と結ばれた。ようやく兄貴に思いを伝えられた。私はもう上機嫌だった。 寒い廊下もものともせずに、一路部屋まで足取りも軽く歩いてゆく。 部屋のドアは閉まっていた。 「あー……」ドアをノックしようとしたその時、ドアの向こうから聞こえる話し声。 電話してるんだ。私はノックしようとした手を収めた。 「ああ……やっぱそうか……うん。じゃあ、そらには黙っておいてくれよ」 私のこと?兄貴は誰と話してるの? 「それじゃ、色々とありがとう。里野」 もしかして、電話の相手って藍? いったい何の話をしてたの? 私ははやる心を抑えながら、数秒ほどおいて、ドアをノックした。 「兄貴、ご飯だよ」 おー、今行く。と兄貴の声。 何の電話だったんだろうか……と私の心の中は、少しだけ、ざわついていた。 292 名無しさん@ピンキー sage 2010/02/10(水) 02 59 51 ID qa1yn+0V ご飯の後、兄貴がお風呂に入ってる間を見計らって私は携帯を取り出す。 リビングの時計はもう九時を少しばかり回っていた。 電話帳の「里野藍」の文字を押し、通話コールを聞かされること数十秒。 『はい、里野です』 「私、北見そら」 ああ、そらちゃん。といつもの調子で電話の向こうから帰ってくる藍の声。 「ちょっと聞きたいことがあったんだけど」私は少し声を強めた。 『何?』 「さっき兄貴と何電話してたの?」 『え?千歳さんに借りてた本の話……』 「嘘」 ぎり、と歯ぎしり。電話を持つ手にも力が入る。 「私に内緒って言ってたの、聴いたんだから」 え?と藍は戸惑ったように電話口でうそぶいていたが、すぐに声が帰ってくる。 『なぁんだ、わかっちゃってたんだ』 「いったい何の話してたの! 答えて!」 『べつに?』楽しそうな藍の声が電話口ので踊る。『ただ、ちょっとかわいそうな千歳さんを慰めてあげただけですよ』 「かわいそう?」 『うん。実のお兄さんのことが大好きな気持ちの悪い妹に初めて奪われた挙句既成事実まで作られたって困ってたから、それを慰めてあげてたんです』 私は言葉を失った。 全身から血が引いてゆく、貧血の時に体が冷える嫌な感じが私の全身を包む。 その間にも電話口の藍の声は嬉々として残酷な言葉を綴る。 『千歳さんのこと思ってお兄ちゃん、お兄ちゃんってオナニーしてたんでしょ?千歳さん本当にそらちゃんの事嫌がってましたよ。 だからわたしが言ってあげたんです。千歳さんを慰めてあげて、そらちゃんの事なんか忘れさせてあげますよって言ったら、千歳さんすっごい喜んでましたよ』 うるさい。 うるさいんだよ。 『まぁ、千歳さんはそんなワケで私がいただきますから、そらちゃんはひとり寂しく泣きながらでもオナニーに勤しんでて下さいよ』 うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい 「……るさい」 『へ?』 「うるさい! 黙れ畜生!」 私は人生で一番の大声を出したんじゃないかと思うような叫び声を通話口に叩きつけ、乱暴に電源ボタンを押して、通話を切る。 そしてそのまま私は携帯電話をソファに叩きつけた。 ホワイトパールの携帯電話はぽうんとソファの上をバウンドすると、そのまま軽い音を立てて床に落ちる。 荒い息を立てながら、私はやり場の無い怒りを抱えて、その場に立ち尽くしていた。 「おい! どうしたんだそら!」 叫び声を聞いて、パジャマ姿で慌てて飛んでくる兄貴。 私は兄貴をこれ以上無いまでに敵意を込めて睨みつける。 「……どうしたんだ?」 「……何でもない」 「何でもないって……あんな大声出してて何でもない訳ないだろ」 「関係ないでしょ! 兄貴には!」 私は兄貴の側にまで詰め寄って、パジャマの襟を引っつかんで、引き寄せた。 「こんな気持ち悪い妹、嫌なら構わなきゃいいじゃない! 私なんか消えればいいんでしょ! 消えればすむんでしょ!」 は?ととぼけたふりをする兄貴。 白々しい。余計に怒りが湧いてくる。 「もういい! 兄貴の望みどおり私は消えてやりますから! どうぞ後はご勝手に藍にでも慰めてもらえばいいじゃない!」 一通り叫び終えると、私は落っこちていた携帯を持って部屋に帰っていった。
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カーミラ シークレットレア 必要魔力 20 飛行 攻撃 防御 TOTAL 親愛度MAX 4760 5627 10387 8000 誕生日 8月3日 身長 153cm 体重 43kg 3サイズ スキル 退避効果 敵からの全体攻撃を高確率で回避する強化後スキル 赤より紅い花効果 敵からの全体攻撃をほぼ確実に回避する 親愛度 コメント 低 はい、一輪どうぞ!これ、お庭で摘んだお花なの。ふふ、綺麗でしょ?まだたくさんあるから、好きなだけどうぞ! 中 お兄ちゃんは何色が好き?私はね、赤が大好きなんだ。綺麗だし、見ているだけで心がドキドキしてくるの! 高 私の家のお庭ってね、お花がたくさんあってとてもステキな場所なの!お兄ちゃんと一緒にお庭をお散歩するのが、私の夢なんだ! 嫁 私、大好きなお兄ちゃんのことをもっと、もっと好きになっていきたい…だから、これからもずっと一緒に…いてくれますか? 親愛度 セリフ 低 私、甘い香りがするでしょ? あ、お花のお世話しなくちゃ…! 気を付けて歩かないとドレスが汚れちゃう… お花にお水をたっぷりあげますよ〜♪ 中 この髪留め、かわいいでしょ?私のお気に入りなんだよ〜 太陽を浴びると、とっても楽しい気分になるの! お花が元気だと、私もお兄ちゃんも元気になれるよね! お兄ちゃんと一緒だと、たくさんいいことがありそう…! 高 どんな時でも一緒だよ、お兄ちゃん! サンドイッチを作ってきたの!紅茶と一緒にいかが? お兄ちゃんと一緒だと時間を忘れちゃうんだ…えへへ 昨日、月がすっごく綺麗だったの!今度、一緒に見ようね! 嫁 一緒にいられる時間が、永遠に続けばいいのに… お兄ちゃんのために私はここにいるの! 私がどこかへ行ってしまったら…その時は、私を捕まえてほしいな お兄ちゃんの手…温かくて大好き! スキンシップ後 朝 おはよう、お兄ちゃん!今日も一緒にお花の世話をしようね! 夜 うー、まだ寝たくない…もっとお兄ちゃんとお話していたいのにぃ… なでなで えへへ、こんなに幸せすぎていいのかなって、たまに思うの… その他 誕生日 私、今日誕生日なんだよ!だから、今日はずっと一緒にいてくださいっ! おはよう、お兄ちゃん!今日も一緒にお花の世話をしようね! -- 朝 (2014-02-21 12 31 08) 名前 コメント
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2008.05.29 01 07 水上 える 「お兄ちゃん、どうしてご飯を食べないの?」 「必要ないからだよ、真由美」 「お兄ちゃん、どうして部屋から出ようとしないの?」 「必要ないからだよ、真由美」 「お兄ちゃん、どうしてこの部屋はこんなに血の匂いがするの?」 兄が無表情で何かをメスで裁いているのが、水槽の水越しに見えた。 少し伸ばした髪が水流で視界を遮るのがときどきうっとおしい。 刃物と骨が擦り合う音はとても耳障りだ。 聞いているだけで体のどこかが痛むような気がする。 「お兄ちゃん――」 兄がとろーりと赤黒い何かをつまんで腕を持ち上げた。 かたつむりを殻から取り出そうとしたらあんな風な形になるのかもしれない。 切片の一つ一つを兄は大切そうに目盛りのついた容器に入れ 「パンドラの箱」と書かれたその容器に接続されたチューブを数度引っ張って確認した。 「お兄ちゃん、これはなんていう遊び?」 「快楽主義っていう遊びだよ、真由美」 「お兄ちゃん、どうして私は生きているの?」 「お前がいないと寂しいじゃないか、真由美」 首から下はコードだけになった私がそれとなく目をそらすのを気にした様子もせず、 兄は私の体を、唇につないだチューブから、一滴も残すことなく、啜り終えた。 モモと グロさが…05/29 20 34 野良(--) 思考するだけで行動ができずとも生きている価値はあるだろうか05/29 21 40 水上 える しゃべれるだけこの妹はましですね。 五感をすべて封じられたらけっこうやばいはず。 でも「われ思う、ゆえにわれあり」ならば、自分がいることに変わりはないでしょう。 んー、価値を問うことは別問題かな。。。05/30 01 02 ミカヅキX 「お兄ちゃん、どうして私は生きているの?」 「お前がいないと寂しいじゃないか、真由美」 このやりとりが、いいですね。05/31 23 20